GDPとは? 米国株初心者のためにGDPの見方をわかりやすく解説
米国株投資をする上で、最も大事な経済指標の1つがGDPです。
とはいえ「GDPってそもそも何だ」「恥ずかしくて今さら人には聞けない」そんな人も多いと思います。
GDPについてわかりやすく解説したいと思います。
これらについて、書いてみたいと思います。
GDPとはそもそも何?
GDPは、「Gross(グロス)Domestic(ドメスティック)Product(プロダクト)」の頭文字をとったものです。
国内総生産のことで、一定期間内に、国内で生み出された財・サービスの総額を示します。
めちゃくちゃ噛み砕いていうと、国内で生み出された「付加価値(=もうけ)」をすべて合計した金額です。
「付加価値」=「人件費と利益の合計」です。
Tシャツを5000円で売っている店があるとします。
この店は、Tシャツを売るために3000円かけました。素材の代金や店舗の家賃などです。
もうけの2000円で、給料を払います。
つまり、この時の付加価値は、2000円です。(5000円ー3000円=2000円)
コップを1つ1000円で売っている店があるとします。
この店は、コップを1つ売るために900円かけました。コップの仕入れ代金や店舗代です。
もうけの100円で、人件費を払います。
つまり、この時の付加価値は100円です。(1000円ー900円=100円)
このように付加価値を計算し、アメリカ国内全ての付加価値を合計した額が、アメリカのGDPです。
国内総生産=国内総所得=国内総支出
付加価値は、「給料」や「株の配当」となって、人々の所得になります。
「給料」や「株の配当」で手に入れたお金で、人々は物を買います。(投資と貯蓄は一度無視します)
ですので、「GDP(国内総生産)」=「GDI(国内総所得)」=「GDE(国内総支出)」となります。
つまり、GDPを見ることは、その国の経済の規模を3方向(生産、所得、支出)から測ることになるので、景気の良し悪しを判断する上で、非常に大事な数字なのです。
GDP統計の発表時期
四半期ごと1月、4月、7月、10月(速報値)に発表されます。
GDP統計は、四半期(3ヵ月)ごとに公表されるため、速報性はありません。しかし、経済全体の流れを見るためには重要な指標です。
・速報値の発表:1月、4月、7月、10月
・改定値の発表:2月、5月、8月、11月
・確報値の発表:3月、6月、9月、12月
GDPの見方は?
「GDP(金額)」ではなく、「GDPの成長率(増減)」をチェックします。
アメリカ商務省 "Gross Domestic Product(GDP)から「四半期ごとのGDP成長率」をチェックすることができます。
例えば、
「2020年第2四半期の実質GDP成長率(速報値)は、前期比年率マイナス32.9%(2020年第1四半期はマイナス5.0%)」
という速報が出たとします。
するとどのように考えることができるでしょうか。
・第1四半期(1〜3月):−5.0%
・第2四半期(4〜6月):−32.9%
つまり、「第1四半期から第2四半期にかけて、アメリカ経済の後退が拡大した」という経済全体の動向を掴むことができますね。
反対に、成長率が増加していけば、経済が上向きになっているということが言えます。
次のようなチャートを見て、GDPの成長率の変化を追うと、アメリカ経済の大きな流れを掴むことができます。
これを見れば、コロナショックで2020年Q1とQ2に大きく経済が落ち込んで、2020年のQ3以降、急速に回復していったことがわかりますね。
さらに、2021年Q3に経済成長が減速したこともわかります。(要因はデルタ株拡大と考えられています)
経済全体の流れを掴む上で、GDP成長率は必ず見ておくべきだと思います。