ジンマー・バイオメット・ホールディングス(ZBH):注目の米国株
最近注目している米国株を紹介しようと思います。
ジンマー・バイオメット・ホールディングス(ZBH)です。
ジンマー・バイオメットは、アメリカの巨大ヘルスケア企業で、特に人工関節の分野における世界的なリーディングカンパニーです。
業績は、2020年12月期の決算で、売上高70.25億ドル、営業利益6.98億ドル、当期利益はマイナス1.39億ドルです。
なぜこの株に注目しているか?
なぜこの株に注目しているかというと、この会社が販売している「iTero(アイテロ)」という口腔内スキャナーの成長性に期待しているからです。
歯医者で、歯型をとったことはありますか?
虫歯治療をしたことがあるや、歯列矯正したことがある人は、わかると思いますが、歯型をとる際には、を口を大きく開けた状態で、ガムのようなもの(印象材と呼ばれるシリコン素材)を口に入れて、固まるまで数分待ちます。
この固まったものが、工場に運ばれて、歯型になり、そこからマウスピースや詰め物が作れます。
iTeroは、従来の歯型とりの工程の代わる技術です。
スキャナーで口の中を撮影するだけで、その場ですぐに「精密で歯型」の3次元データを作ることができます。
iTeroが歯科医が抱える問題を一気に解決する
4つの点で、従来の歯型とりの問題を解決しています。
メリット1:治療スピードの大きな向上
従来の場合、固まった印象材を工場に送って、歯型を作成していました。
しかし、iTeroがあれば、スキャンしたその場で、歯型の3Dデータを見れるので、患者さんに3次元データを見せながら、すぐに治療計画を話すことができます。
メリット2:正確な歯型を取れる
歯列矯正では、非常に精密な歯型のデータを取ることが、治療において重要なことです。
シリコンで歯型を取る場合、どうしても歪みやズレが発生することがありました。
一方、iTeroの場合、3次元データなので、変形することがなく、より精密な歯型のデータを作ることが可能になりました。
メリット3:患者の不快感を解消
印象材の場合、口を大きく開けてゴムのようなものを入れるので、嘔吐反射がおこって歯型をとることが難しい患者がいます。
一方iTeroの場合、スキャナを歯にあてるだけなので、患者の負担が格段に小さくなります。
メリット4:歯科医が患者の歯型を保存しなくて良い
歯科医は新しい患者を診るたびに、歯型を作成します。そして一度とった歯型は保存しなければなりません。
歯型は、意外と大きくて重いので、歯科医は、保管場所や保管方法に悩まされるのです。
一方、iTeroはデータなので、場所もとりませんし、管理が非常に簡単です。
ジンマー・バイオメットの会社概要
ジンマー・バイオメット・ホールディングスは、骨や関節の疾患を治療する整形外科領域をメインに事業展開する医療機器メーカーです。
iTeroは、アラインテクノロジーという会社の商品ですが、2019年9月にジンマー・バイオメット・デンタル(ジンマー・バイオメット・ホールディングスのグループ企業)とグローバルな販売契約を結びました。
これによって、ジンマー・バイオメット・ホールディングスが大きく成長することが予想できます。
iTeroはアメリカをはじめ、世界的に販売されています。
実際に日本の歯科医でも急速にiTeroが普及しており、私は今後数年で、印象材が駆逐され、iTeroがすべての日本の歯科医に導入されるだろうと考えています。
ちなみに私の家の近所の歯科医も導入していました。
それくらい、画期的な技術です。
ジンマー・バイオメット・ホールディングスの業績は?
昨年は、コロナの影響で、業績を落としましたが、売上高を見ると、概ね右肩上がりで成長を続けている企業です。
2020年12月期の決算では、売上高は70.25億ドル、営業利益は6.98億ドル、当期利益はマイナス1.39億ドルです。
まだ、ジンマー・バイオメットは、まだiTeroの事業を始めたばかりですが、事業別売上高を見ると、その期待の高さがうかがえます。
現在の株価は?
2021年6月現在の株価は、160ドル近辺です。
コロナショックで、半額以下に株価が下がったのですが、2021年6月の時点で、コロナ前の水準を突破してきています。
PERは約60倍、PBRは約2.8倍。
PERがやや高いですが、グロース株と考えれば、問題ないと思います。