「仮説思考とは?」「フェルミ推定とは?」外資系コンサルタントの思考法をわかりやすく解説
書店のビジネス書コーナーに行くと、
・「仮説思考」
・「フェルミ推定」
などのキーワードで、コンサルタントが書いた本がたくさんありませんか?
これらは、ビジネスパーソンの重要なスキルとして謳われていますが、ちゃんと理解している人は、意外と少ないのではないでしょうか?
そこで今回は、「仮説思考」「フェルミ推定」について解説するので、参考にしてみてください。
また、さらに深く知りたい人に向けて、コンサルの思考法が学べるおすすめの本も紹介します。
コンサルを受ける就活生は、面接対策にもおすすめです。
(1)仮説思考とは?
「仮説思考」は、外資系コンサルタントにとって、最も重要な思考スキルです。
「仮説思考」とは、限られた情報から最も可能性の高い結論を「仮説」と設定し、その仮説に基づいて仮説の実行、検証、修正を行っていく思考法です。
例を紹介します。
例えば「売上が落ちてしまったラーメン屋」をコンサルするとします。
あなたなら、どのように問題を分析し、どんな解決策を提示しますか?
コンサルタントは、「問題の原因」を突き止め「解決策」を提示しなければなりません。
簡単な調査をして、
・「自店の周りに競合店が増えた」
・「1日の来店者数が減少している」
という状況が分かっていれば、「競合店にお客さんを奪われて、売上が減った」という仮説を立てることができそうですね。
仮説を立てることができれば、競合店を調査して、競合店との差を明確にしようという対策を打てそうです。
・競合店の味、価格、メニュー数
・競合店のレイアウトやターゲット顧客
など、調査項目を絞り込めて、解決策も立てやすくなります。
例えば競合店は「高めの価格帯での洗練されたラーメン」という路線だということが分かれば、同ジャンルでの勝負を避けて、ボリュームやリーズナブルな価格設定で勝負しよう。男性顧客にしぼって、ガッツリしたメニューを作ったり、ライスのサービスを始めてみよう、といった対策を立てることができるのです。
しかし、最初の仮説がなければ、アテもなくお店の味や価格を変更したり、無駄な広告をすることになってしまいます。
仮説を設定することで、考えるべきこと・調べるべきことを大幅に絞り込めるので、劇的に効率よく問題解決を進めてることが可能になります。
この本は、仮説思考の基本的な方法を、まるで絵本を読んでいるかのように学べる本です。
問題の原因を洗い出し方から、仮説を立てて、実行プランに落とし込むまで、コンサル的な思考の流れをシンプルなストーリーで解説してくれています。
とても簡単に読める本ですが、本質がギュッとまとまっているので、最初の1冊として非常にオススメです。
(2)フェルミ推定とは?
フェルミ推定とは、よくコンサルの就活面接で聞くキーワードです。
・「日本全国に電柱は何本ありますか?」
・「東京にタクシーは何台ありますか?」
上記の予想もつかないような数字を、仮説思考力をベースに概算する力が問われます。
例題を解いてみましょう。
問題「日本で、家庭用電球の年間売上はいくらか?」
(出所:『就職活動対策シリーズ ― フェルミ推定の教科書』)
要素を分解して、数式にしてみます。
家庭用電球の年間売上 = (A)販売単価 × (B)年間販売数
さらにこの式を細分化します。
・(B)年間販売数 = (C)世帯数 × (D)1世帯あたりの年間販売数
ですので
家庭用電球の年間売上 = (A)販売単価 ×「(C)世帯数 × (D)1世帯あたりの年間販売数」
となります。さらに、
・(C)世帯数 = (E)日本の人口 ÷ (F)1世帯あたりの人数
・(D)1世帯あたりの年間販売数 = (G)1世帯あたりの電球数 × (H)年間買い替え回数
ですので、
家庭用電球の年間売上 = (A)販売単価 × 「(E)日本の人口 ÷ (F)1世帯あたりの人数」×「(G)1世帯あたりの電球数 × (H)年間買い替え回数」
となります。
ここまで来たら、この式に数値を代入します。
数値はおおよそでよいので、自分で設定します。
・(A)販売単価:500円
・(E)日本の人口:1.2億人
・(F)1世帯あたりの人数:2.5人
・(G)1世帯あたりの電球数:20個
・(H)年間買い替え回数:0.5回 (2年に1回の交換)
これらを上の式に代入すると、「日本の家庭用電球の年間売上は約2500億円」という推定を出すことができます。
現役東大生が書いた 地頭を鍛えるフェルミ推定ノート―「6パターン、5ステップ」でどんな難問もスラスラ解ける!
- 作者:東大ケーススタディ研究会
- 発売日: 2013/07/26
- メディア: Kindle版
この本は、フェルミ推定の問題演習&わかりやすい解説で構成された良書です。
練習問題をときながら、フェルミ推定のトレーニング ができます。
問題解決のトレーニングがしたいという人にオススメですし、コンサルの面接対策としても非常に有効な本です。
(3)外資系コンサル流の仕事術全般を知りたい人へ
この本は、上記の2冊に比べると、実際のオフィスでのコミュニケーションや仕事術ににフォーカスされた本です。
上司への説明の仕方や、パワポやエクセルを使った資料作成のコツが書かれています。
コンサル的な働き方をイメージしたいという人には、非常にオススメできる本です。
たくさんのコンサルタントの思考術の本が売られていますが、実はどの本同じようなことを言っています。
しかし、読みやすさには差があるので、上記に紹介した本がおすすめです。
ちなみにコンサルタントに必要なスキルをざっくりまとめると、次のようなことに集約されると思います。
・与えられた情報をうまく整理できる
・情報の取捨選択ができる(何が重要で、何が重要でないのか)
・情報をまとめ直して、論理の通ったストーリーを作れる
以上のことができると、
・報告書や企画書、プレゼンなどの資料がわかりやすく書ける
・会議などで、しっかりと筋の良い発言ができる
つまりオフィスで「頭の良さ」を示すことができるのです。