なぜ自分の意見を言うことは難しいのか?
少し前に発売された本ですが、最近読んで非常に面白かった本ですので、紹介します。
著者は香里ヌヴェール学院という中高一貫校の教師です。
教育改革で大学入試はこう変わる
2020年1月の試験を最後に、「センター試験」がなくなります。
代わりに、2021年からは「大学入学共通テスト」が始まります。
数学や国語の問題の一部で記述式の問題が採用されます。
これに合わせてその他の大学入試でも、単純な知識を問われる問題から、「あなたはどう考えますか?」を問う設問が多くなっていくとのことです。
例えばこの本の中にはこんな問題が紹介されていました。
あなたは答えられますか?
もし、地球が東から西に自転していたとしたら、世界は現状とどのように異なっていたと考えられるか、いくつかの観点から考察せよ(2014年度東京大学理科一類 外国学校卒業学生特別選考)
難しいですよね。普段から、考える訓練を行っていない自分には、頭が真っ白といった感じです。
この教育改革の背景には、以下のような理由があります。
目まぐるしく変化する現代社会において、自ら問題を発見し、他者と協力して解決していくための資質や能力を育む教育が必要になる(文科省ホームページ)
小中高の学習指導要領も変更されていくそうです。
今後の教育現場では、知識を蓄えることではなく、蓄えた知識をどのように活用できるかに重点が置かれ、「正解のない問い」に対して自分の意見を述べられるような人を育てていくことが目指されます。
では教師の役割はどうなる?
当然、教師の役割も変化します。
日本では、これまで教師ー生徒間の縦関係が、色濃く反映されてきました。
知識を一方的に教えるためにはそれでも問題ありませんでしたが、今後はそうはいきません。
今後は、「正解のない問い」を生徒に与え続け、生徒の能力を引き出すことができる「プロデューサー」のような役割が先生に求められるというのが、この本の結論です。
自分の考えを表現する力
自分は、最近転職の面接を受けていて、
自分の意見をパッと答えることが、本当に苦手だと痛感していました。
なぜ難しいのか。
本書には次のように書いてありました。
- 人は意識しなければ自らの考えを明確にしようと思わない
- なぜ自分はそういった考えをもつに至ったのか、理由を明らかにしないければならない
- その理由が明らかになっても、それをどのように言葉に表すかを思案しなければならない
つまり、日頃から自分の考え言語化することを繰り返していないとならないということです。
このブログもその練習の一貫として更新頻度を上げたいなと。